2024年2月に当院で出産されたTさん。その時のことを書いたエッセイが暮らしの手帖に掲載されたと、画像を送っていただきました。
とてもとても素敵なエッセイを書いていただき、幸せなお産のお手伝いができたことに喜びを感じています🥰
一部、抜粋して紹介します。
助産院で診察を受け、「もう生まれるね」と言われる。実感が湧いてくるとともに、陣痛の間隔が短くなり、強い波がやってくる。夫にもたれて痛みに耐える私の周りを、子どもたちが走る。両手に赤ちゃん用のおもちゃを持って「モモくん(赤ちゃんの呼び名)、がんばれ~」と言いながら、満面の笑みで跳びはねる。その様子は、新しい命の誕生を祝福する精霊のようで、とても心強かった。
さまざまな奇跡が重なって、私たちは今ここにいる。新しい命を迎えようとしている。全身が多幸感で満たされ、涙があふれ出す。
この痛みは、赤ちゃんが居心地の良い母の胎内に別れを告げて、狭い産道を命がけで通り、未知なる世界に出てこようとする証。楽しそうな子どもたちを見るうちに、痛みに耐えるだけで精一杯だった私の意識が変わっていく。
<中略>
生まれたての赤ちゃんを抱きながら、私は今までのお産でいちばん泣いた。落ち着いて静かに生まれてきた赤ちゃんは、おえつで揺れる私の胸の上で少し泣いた。
助産院の裏庭で、満開の蝋梅の花が咲き誇っていた。モモくんは桃希と名付けられ、私の隣ですやすや眠っている。
天才か?😆✨️✨️
Tさん、素敵エッセイをありがとうございます🥰
助産師からのコメント
桃李くんが生まれたのは、冬の夜でした。
陣痛中、パパの背中にもたれている時、ママが突然涙され。どうしたのかと尋ねたら、「幸せ過ぎる」と。
その後、陣痛が強くなったママさんに、少しお産の体勢やら、呼吸法をアドバイスしたら、とても上手に桃李くんは生まれてきてくれました。
お食事や身の回りにあるもの全てが、優しいもので囲まれたご家族。考え方や心もとても優しくて。側に居させていただいて、温かい気持ちになる素敵なご家族でした。
妊婦健診のときにはいつも穏やかな表情でした。家族で迎えるお産について楽しみにしている様子が目に見えて分かり、私もTさん家族のお産をとても楽しみにしていました。
時折見せるパパへのいたわりの言葉を聞いて仲のよいご夫婦だと感じていました。お産の場では温かく、ゆるりと包まれた空間を感じました。
パパとお姉ちゃんたちに囲まれてお産の波の中に身をゆだねているTさんはとても美しかったです。静かに確実に赤ちゃんと会える時間が近づいていることが周りから見ても感じることができました。
とうくんがお生まれになってママの胸にいく瞬間はとうりくんの温もりとともにTさん家族のつくり出す“穏やかな温かさ”を感じました。
退院の日にパパが
「助産院でのお産の活動を応援してます。」と爽やかな笑顔で言ってくださったことは、私たちの活動への後押しを感じ、とても心強く感じました。
本当に素敵なお産の場に立ち会えたことはもちろん、素敵なご家族に会えたことがとても嬉しいです。ありがとうございました。